それでも食べるのか?
2012年06月10日
それでも食べるのか?

わたしは、生レバーというものを食べたことがないので、よく判らないのだが、七月からこの生レバーを飲食店が提供すると、それが客からの強っての注文だったとしても、犯罪になるということをあるテレビ番組が報じていた。
これに対する街の声を拾うと、なんと60パーセント以上の人たちが、レバーの生食を継続して欲しいと思っているとの結果であった。
レバーは、表面だけをトリミングしても大腸菌が除去できない部位だそうで、これを徹底的に滅菌するには、やはり熱を加える方法しかないというのが、現段階での調査結果だという。
そのため、今後レバー内部の大腸菌をも除去出来る技術が開発されるまでは、飲食店での生レバー提供の法規制が続くということである。
とある焼き肉店経営者は、
「死亡者が出たということもあり、規制はやむを得ないと思うが、レバ刺しが食べたいというお客さんは未だに多い。こちらがどんなに理由を納得しても、お客さんの方が理解していないことが問題。生レバーは出せないと断われば、他の店へ行かれてしまう」
と、困惑していた。
今では、如何にもレバ刺しのような食感が味わえるこんにゃく製品も登場したようだが、これはあるアンケートに書いてあったことだが、問題の一つには、鉄分補給を目的に生レバーを食べている女性が意外に多いということもあるようだ。
ある女性は、
「貧血気味だということで、レバーを食べるように言われたが、熱が通っているレバーは、臭くてとても食べられない。でも、レバ刺しならば苦にならずに食べられるので、薬がわりに食べていた」
と、話す。確かに、貧血改善のための鉄剤もあるが、便が黒くなったり、人によっては便秘になるなどの副作用もあるので、よほどひどい貧血状態でもない限り、女性は経験しがちになってしまうかもしれない。
番組のコメンテーターたちの意見は、「自己責任で食べてもいいのでは?」というものが多かったが、客が万が一食中毒を起こしても飲食店の名前を公表したりしないという確約でも取れない限り、飲食店側もおいそれと提供は出来ないだろう。
賞味期限が一日過ぎていても販売店へ苦情が殺到する昨今である。
今の日本人に何処まで「自己責任」が全うできるか怪しいものだ。
これからも、この生レバー問題は尾を引く予感がするが、クジラ肉と同様に、いつしかその存在自体も過去のものとなる日が来るかもしれない。