増える認知症高齢者

増える認知症高齢者house




    厚生労働省は24日、2012年の認知症高齢者が推計で305万人に上ると発表した。65歳以上人口の約10%を占める。従来の予想を上回るペースの増加で、20年には400万人を超える見通しだ。
    厚労省によると、03年時点での予想は10年で208万人、15年で250万人、20年で289万人だった。同省は認知症高齢者が当初の予想を上回った原因について(1)介護保険制度が普及し調査対象者が増えた(2)高齢者の寿命が延びた(3)病院で受診する高齢者が増えた―などと分析している。
    しかし、10年9月の要介護認定に関するデータを基に推計し直した結果、10年ですでに280万人と予想の1.35倍となっていたことが判明。15年で345万人、20年で410万人、25年で470万人に達するという。(YAHOO!ニュース)



    確かに、病院へ行っても、「この人認知症じゃないのかな?」と、思えるお年寄りが多い。

    会計窓口で、自分の番が来ていると勘違いして会計を済ませようとしていた高齢者に、担当職員が何度も、「まだ、お名前をお呼びしていないので、もう少しお待ちください」と、繰り返していたこともある。

    また、ある日用雑貨量販店では、ゴムホースのある場所をレジの店員さんに訊ねていた高齢者がいたのだが、ホースの販売コーナーを教えてもらい、そちらへ歩き出した途端、

    「あの~、今、教えてもらった場所だけれど、何処だったっけ?」

    と、問い直した。店員さんは、もう一度説明するが、やはりその高齢者は、後ろを向いてそちらへ歩き出した瞬間、

    「えっと、何処だって?」

    と、再び聞き直していた。すると店員さんは、いったんレジ打ちの手を止めて、高齢者をホースのコーナーまで案内したのだった。

    こんなこともあった。

    ある店舗で70代とおぼしき友人女性たちが数人で買い物をしていたのだが、その中の一人が、店員さんに品物の値段を聞いた。

    店員さんが、「〇〇は、500円で、△△は600円です」と、言う。値段を訊いた女性は、そのことを少し離れた場所にいた仲間の女性たちに伝えようと歩き出したのだが、思い出したように、また店員さんのところまで戻った。

    「△△は、いくらって言ったっけ?」

    「600円です」

    「ああ、そう----」

    女性は、そう言って歩き出したが、直後にまた店員さんの所へ戻り、

    「いくらだって?」

    と、訊ねたのである。こういう風景は、最近何処でも目にするようになって来たので、さほど奇妙とも思わなくなって来た。

    こうした高齢者の応対をする店員さんたちも慣れたもので、決して嫌な顔や不思議そうな顔もせずに自然な様子で何度でも根気強く返答しているのだ。

    認知症高齢者に対する社内教育が徹底している証拠だと思う。

    これからの社会は、一人暮らしの高齢者も多くなり、ますますこうした介添え人なしで生活をするお年寄りたちが増えて行くことだろう。

    しかし、周囲の人々が奇異な目で接することなく軽度の認知症の人たちを受け入れ、そういう光景が当たり前になる時代が、既に始まっているのだという実感が見えた瞬間でもあった。

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Posted by ちよみ at 20:27Comments(0)ちょっと、一息 25