悪いようにはしないから・・・・・637
2010年06月30日
~ 今 日 の 雑 感 ~
悪いようにはしないから
「悪いようにはしないから・・・・」
こういうことを良く言う人って、本当に、相手のことを思いやっているのでしょうか?
それが、案外、そうでもないのです。
こういう口癖の人は、年上や上司に多いのですが、かなりの親分肌で相手を下目に見ている傾向が強いのです。
本来ならば、そこで「これこれこういう理由があるから、きみにはこうして欲しいんだ。頼むよ」と、言いたいところを、彼のプライドがそれを許さないために、「とにかく、おれに任せておけばいいんだよ。悪いようにはしないからさ」と、言うことになってしまう訳です。
また、こういうタイプの人は、自分以外を「あまり頭の良くない人間」と、思い込んでいる節がありますから、その本音の部分には、「どうせ、こいつに詳しいことを話しても判らんだろうな・・・・」と、いった軽蔑があるのです。
ところが、それよりも何よりも、こういうタイプの人は、相手のことを思いやって「任せておけ」と、言っていると思ったら大間違いで、本心は、「おれに任せておけば、お前にとって一番いいようにしてあげる」ではなく、「おれにとって一番いいようにしたあとで、お前にも悪いようにはしないよ」と、いうところにあるのです。
しかし、こういう親分肌タイプは、確かに相手のためにも悪いようにはしないはずです。なぜならば、もしも、相手に不利益を被らせるようなことになれば、自分のイメージダウンにもなりますし、恨まれることだってあるでしょう。
そんなことは絶対避けたいはずですから、間違いなく「悪いようにはしない」はずなのです。
が、それは、あくまでも自分の方に大きな利益があった場合のことで、相手への利益は二番目と考えていることを忘れてはいけません。
そういえば、『サザエさん』という漫画に、主人公のサザエさんが母親のフネから、妹のワカメのワンピースを作ってくれと布を渡されたというエピソードがありました。
サザエさんは、さっそく布を裁断しますが、途中でひどく悩み始めます。フネが何を悩んでいるのかと訊くと、サザエさんはこう答えるのです。
「あたしのワンピースは裁断出来たんだけれど、ワカメのワンピースの分がどうしても取れないのよ」
これを見ると、サザエさんは、まさにこの「悪いようにはしないから・・・・」の性格そのもののような女性だと判りますね。
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人の心は移ろいやすく・・・・・636
2010年06月30日
~ 今 日 の 雑 感 ~
人の心は移ろいやすく・・・
あと出しじゃんけんになってしまうようだけれど、昨晩は、サッカーW杯の日本対パラグアイ戦を後半開始まで観て寝てしまった。
あまりに、似通ったチーム戦力なので、これはPK戦へもつれ込むだろうな・・・・と、思ったからだ。
もっと、頑張って起きていればよかったのだが、睡魔に負けた。
そして、夢を見た。本田選手を始め、選手たちが泣いている夢だ。うれし泣きという感じではなかった。
「あ~、負けたんだな」と、思って、朝起きたら、正夢だった。
おそらく、パラグアイのボール支配率や、動きを見ていて、今回は厳しいと思った気持ちが反映していたのかもしれない。
しかし、日本は本当に死闘を乗り越え、よくぞPK戦まで持ち込んだ。選手たちの気力は残っていたとしても、体力を考えれば既に限界は超えていたと思う。
試合後の選手たちの顔が、まるで哲学者のように見えたのもそのせいかもしれない。
競技場へ観戦に来ていた大勢の南アフリカの人たちが日本を応援してくれていたのにも感動した。
岡田監督は、「日本が世界に通用するかと訊かれれば、それは、結果が教えてくれている。サッカーは勝つか負けるか。レクリエーションではないのだから、まだだということだろう」と、インタビューに答えていたが、ファンからしてみれば、本当に胸躍る一瞬を与えてくれて、ありがとうと言いたい気持ちだ。
侍ブルーの戦士たちに
感謝!!
感謝!!
どうして、これほどまでに、人の心というものは容易く移ろうのであろうか?
昨日まで、思いのたけを述べて悩みを打ち明けてくれていた人が、翌日からは人間が違うのかと思うような赤の他人の顔をする。
そんな素っ気ない素振りで、こちらを一瞥すると、さっさと通り過ぎて行くのだ。
毎日が辛いと、泣いて訴えていたあの人間は何処へ行ってしまったのだろうか?他に関心事が出来た途端、まるでこちらの存在など端から知らないとでもいうような態度だ。
どうしてそんなに簡単に、豹変出来るのか?
あなたは忘れたふりをしても、こちらはしっかりと覚えている。
興味が失せたとか、飽きたとか、そんな言葉で済ませられてはたまらない。
そういえば、こんなこともあった。
我が家の近くに住む一家の母親が認知症になった。この母親は、家庭の中で疎外されているのが辛いと、近所の親しい女性の家へ来て、涙ながらに自分が置かれている状況を訴えると、ここへ置いて欲しいと頼んだのだという。
しかし、そんなことが出来るはずもなく、また、その狼狽ぶりがあまりに激しかったので、女性はその母親の娘に電話をかけ、家へ連れて帰って欲しいと頼んだ。
娘は、女性宅まで来ると、帰りたがらない母親を引き取って何とか自宅まで連れ帰ったのだという。
後日、女性は、その娘と街で偶然顔を合わせたので、てっきり娘の方から「その節はご迷惑をおかけして・・・・」の一言が当然あるものと思っていたが、娘は黙って通り過ぎようとするので、女性の方から思い切って声をかけた。
「あれから、お母さんは大丈夫だった?」
と、訊ねたところ、娘が言うことには、
「何の話でしょうか?別に、大丈夫ですけれど・・・・」
と、いうもので、お礼やお詫びの一言もなかったのだという。非常識な人間が多くなったと言えばそれまでだが、それにしても、あまりにふざけた話である。
自分が迷惑をかけた相手のことは、一生覚えておいて欲しいものだ。
あの時は、あの時などというご都合主義な理屈は、少なくともわたしには通じないから、そのつもりでいて欲しい。
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