大人の中の幼児性

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    道路を歩いていたグループのうちの男性3人をひき殺そうとしたとして、埼玉県警所沢署は8日、殺人未遂容疑で所沢市美原町、建設作業員衣斐昂容疑者(23)を逮捕した。同署によると、「道路を広がって歩いていたので注意したら、生意気な口をきかれ頭にきた」と容疑を認めている。
    逮捕容疑は7日午前1時40分ごろ、所沢市緑町の市道で、運転していた普通乗用車を22~23歳の男性会社員3人に後方から衝突させ、殺害しようとした疑い。2人は頭や腰に打撲などを負い、1人は右足を捻挫した。
    同署によると、衣斐容疑者は運転中、白線で仕切られた歩道を約10人で2列になって歩いているグループを発見。車を降りて注意したところ、口論となった。会社員らは最後は「すみません」と謝ったが、同容疑者はいったん立ち去った後、車をUターンさせるなどして追い掛けて来たという。
    衣斐容疑者は3人にけがをさせたまま、車で逃走。同署が8日午前、市内のホテルで同容疑者を見つけ、逮捕した。現場にブレーキ痕はなかったという。(YAHOO!ニュース)




    近頃、正義感を暴走させる人が多くなったように思う。

    自分は良いことをしているのだから、注意された人はそれに従うのが当然だ----と、いうような利己的な自分本位の正当性の押し売りである。

    だから、これを無視されたり断られたりすると、途端にその正義が悪へと豹変する。

    良かれと思ってしたことが、実は相手には迷惑なことだったとなった時、「おれの好意を受けられないのか」と、怒る場合と同じ理屈である。

    つまり、注意をする者が自分のことだけを考えているために、相手の気持ちへの想像力が回らないのである。

    自分が「道を広がって歩いたら、他人に迷惑だろう。気を付けろ」と、言った際、相手がどんな感情を返して来るかということまでも推量出来ないために、逆に言い返されて動転したわけである。

    これも心理学的にいうと、「無意識下の依存症」ということになるそうで、幼児性の最たるものなのだという。

    相手の反応は、こうあって欲しい。こうあるべきだ----と、思う通りの結果が出なければ承知出来ないというのは、正しく子供の考え方だというのである。

    しかし、このケースとは反対に、勇気を出して注意をしたら殴りかかられたなどということも世間には良くある話なので、注意するにもそれなりの覚悟で声をかけなければならないとも思うのだが、それにしても、これは如何にもやり過ぎである。



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Posted by ちよみ at 11:30Comments(0)ちょっと、一息 29