料理下手の奥さまを持ったら・・・

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    ヤフーの知恵袋を読んでいると、妻の料理に閉口している夫からの投稿が意外に多いことに驚く。

    「結婚して5年になるが、未だに妻の料理下手には困っている。焼きそばには、生の玉ねぎしか入っていないし、そうめんつゆにはゴマ油が入って出て来るので、せっかくのそうめんが油まみれのギトギトで食べられたものじゃない。    
 
    それとなく、そういうものは好きではないことを伝えたのだが、まったく理解してくれない。どうしたらいいか?」


    「妻の料理がやたらに塩からいので、夕飯を外で食べると言ったら、『こんなに一生懸命作っているのに!もう作ってやらない』と、泣かれてしまった。今まで我慢をして食べて来たが、やはり、食事ぐらいは自分が食べたい物を食べたい」

 
    「妻の料理がとにかく雑で困っている。カレーを食べたら、何だか味噌の味がするので、訊いてみると、残りのみそ汁にカレー粉を入れたという。ご飯には、必ず何かが載って出て来るし、名前の判らない野菜が入っている野菜炒めも・・・。

    もっと何とかならないかと言うと、『オリジナル料理なんだから、食べて』と言って、悪びれた風もない」



    回答には、「料理教室へ通わせろ」とか、「投稿者自らが手本を示して奥さんを教育しろ」「妻をレストランへ連れて行って、どういう食材や調味料が使われているのかを夫婦で研究する」「味音痴は、妻の実家の母親からの遺伝だから、教えても無駄」「ぼくの舌が普通の人よりも敏感だから、もう少し塩味を加減してくれと、やんわり頼む」というようなものがあった。

    料理とは、何ぞや?---と、考えると、おそらくは、その人のセンスや想像力の集大成であり、盛り付けなども含めれば、究極の総合芸術のような気がする。

    たとえば、生まれつき絵心がある人は、風景を一目見ただけで、それを正確にデッサンしたり、どの色を組み合わせるとより近い色が出るかを、瞬時にして判断出来る能力を持っているものだ。

    それと同じように、料理を作るのがうまい人は、見本となる料理を一目見ただけで、そこにどのような食材が使われているのかを理解し、一口食べただけで、どんな調味料が使われているのかを知ることが出来る。

    食材や調味料の本当の名前は知らなくとも、それに近い味のものを想像する能力は持っている。

    ところが、そういういわゆるセンスや想像力がまったく働かない人は、「料理なんか、何でも手当たり次第に煮たり焼いたり雑ぜれば何とかなるもの」と、考えて、子供が絵具をグチャグチャに混ぜ合わせる感覚で作ってしまったりするのではないだろうか。

    もしくは、どのような食材が料理に使えるのかを知らないために、頭の中にある知り得る食べ物しか調理出来ず、いつもいつも同じものばかりが食卓に並ぶということにもなるのだと思うのである。

    どうしても、料理がうまくならない奥さまを何とかしたいと思うのならば、回答の中にもあったのだが、まずは、一番シンプルなものから教えるという手はどうだろうか?

    ご飯の炊き方、魚の焼き方(今はフライパンで焼き魚が出来るとか)、簡単な味噌汁の作り方、玉子焼きと目玉焼き、ゆで卵の作り方、調味料なしでの野菜やハム、ソーセージの炒め方、おひたしの作り方----といった、味は料理が食卓に並んでから醤油や塩コショウで食べる時につければいいというような料理を教えるのも一つの方法ではないかと思う。

    料理教室に通うのも良いだろうが、教わった料理を再現するために、やたらと高価な食材や調味料を買いそろえて、結局は一度使っただけで冷蔵庫内の飾り物になるような例も多いそうだ。

    料理は毎日三度三度のものであるから、作る方も飽きずに作れなくては意味がない。たった一食、一世一代の豪華料理が作れたとしても、次の日から店屋物ではお話にならないわけで・・・。

    家族が飽きないように、おいしく食べられるようにと、一家の主婦が毎日の食事の用意に頭を痛めるのは、当然といえば当然だが、最初からあれもこれもと覚えるのではなく、一つの作り方で何にでも変身するような料理を覚えておくのも、料理下手の奥さまには重宝するのかもしれない。

    たとえば、カレー。ジャガイモなどは芽をとるのが難しいならば、ジャガイモ抜きでキャベツと玉ねぎ、ニンジン、肉だけでも作ることが出来る。

    これらを一度に鍋に入れて水で煮る。市販のカレールーを入れればカレーに、ハヤシライスのルーを入れればハヤシに、シチューの素を入れればシチューに、味付けがコンソメだけでもあっさり味のポトフになる。

    これだけで、レパートリーは既に四つだ。しかも、鍋一つで出来る。

    まずは、料理下手の奥さまたちに料理の楽しさを知ってもらうことが大事だろう。

    それには、やはり夫や子供たちの、「おいしい!」の声が不可欠である。

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Posted by ちよみ at 17:35Comments(2)ちょっと、一息 30