手ぶりの大きい人の話は半分に聞け
2012年10月22日
手ぶりの大きい人の話は半分に聞け

政治家にしても評論家にしても、話しながらやたらに手ぶりが大げさになる人がいる。
こういう人は、得てして自己陶酔型の性格で、話を盛り上げながら自分の話術に酔っている節があるといわれる。
手ぶりの大きな人の話は、確かにためになるし、面白いのだが、こういう人はサービス精神も旺盛なために、ついつい聞き手を喜ばせたくて、エピソードを大きく作ったり、他人から聞いた話に尾ヒレをつけて伝えがちなのだそうである。
事実と異なる嘘も交じることがママあるために、すべてを鵜呑みにするのは考えものだそうだ。
しかし、話術には長けているので、聴衆をひきつけるのは大得意。
罪のない嘘ならば、会話のスパイス程度に効かせる術を心得ている人も多く、辻立ちで演説するような政治家にはもってこいのタイプといえるのかもしれない。
中でも、大きな手ぶりに加えて、話しながらやたらに髪をなでたり、頬をさわったりと仕草が忙しい人は、特に自分に酔いやすい性格だという。
そういえば、以前、面白い話を読んだことがある。
ある男性が会社の同僚男性についての悩みを雑誌(だったと思うのだが・・・)に投稿していたのだが、その同僚男性には不思議な癖があり、話をしながら自分のほっぺたをやたらに引っ張るのだという。
ある日、その同僚男性が新規開発商品に関する社内プレゼンテーションをすることになり、上司も含めた社員たちの前で意気揚々と説明を始めたのだそうだ。
だが、そのうちに同僚男性は自分の説明に没頭するあまり、いつもの癖を出し始めたのだという。しかも、いつも以上にほっぺたを引っ張るので、目はあかんべーをしたようになり、それは大変な形相になっていたのだそうだ。
部屋に集まった社員たちの目は、プレゼンテーションの内容よりも彼の顔に集中。
投稿男性は、何度か注意しようと思ったのだが、その機会を見付けられぬままプレゼンテーションは終了した。
その後、同僚男性は、投稿男性にこう得意気に言ったという。
「みんな、おれの説明をものすごく真剣に聞いてくれていたよな。やっぱり、おれって人を説得する才能あるのかも・・・」
投稿男性は、「そうじゃない。みんな、お前の奇怪な顔にビビっていただけだ」と、反論したかったのだが、未だにそのことを伝えられずにいるとのことであった。
いやはや、癖というものは、恐ろしいものである。

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おばさん協定
2012年10月22日
おばさん協定

このところ、共同浴場へ行くと、必ずと言っていいほど腹の立つことに出くわす。

その最たるものが、三、四人の70代のおばさんたちが結んでいる、ある暗黙協定だ。
(例の「嘘!」を連発する70代女性も、このおばさん協定の仲間である)
それは、簡単にいえば、「自分たちよりも若い女性たちには、意地悪に接しよう」という悪趣味なものなのだ。
どうやら、その中心にいるのが、この間も書いた職を失った女性Aのようだ。
おばさんたち一人一人と一対一で会えば、愛想も良く、気さくに話しかけて来るのだが、これがAが加わった集団になった途端に、まるで皆人が変わったかのように無愛想で毒舌になる。
ボス的存在のAに睨まれるのが怖いのか、Aのいる前では他の人たちに挨拶さえしなくなるのだ。浴室へのドアの閉め方まで乱暴になり、やれお湯が熱いの、お湯を使い過ぎるの、脱衣所の床が濡れているのと、文句の言いたい放題。
しかも、自分たちが機嫌を損なっているのは、すべて他の入浴者たちのせいだとばかりに、大声で嫌みを言い始める。
昨日など、先に浴室にいる60代の女性を脱衣所のガラス越しに睨みながら、
「誰、あの婆さん?----ああ、あのデカい背中は〇〇だね」
と、憎らしげな声で話していた。にもかかわらず、浴室へ入ると、その舌の根も乾かぬうちに、
「あ~~ら、今日は早いんだね~」
などと、猫なで声で親しげに挨拶をしている。
あまりの見え透いた豹変ぶりに、今聞いた暴言を、そのまま60代女性に教えてやりたいと思ったくらいだ。
時々、入浴時間が一緒になる40代の女性などは、「あいつらを人間だと思うから腹も立つのよ」と、そんなおばさんたちとは一切言葉を交わさず、視線さえ合わせようとはしない。
(おばさんたちは、この40代女性のことについても、「根性がねじ曲がっている」など、陰では言いたい放題の悪口を並べている)
わたしも、彼女たちを無視出来れば楽なのだが、近所なのであからさまに素っ気ない態度をとることも出来ず、本当に悩ましい。
まあ、あの悪辣さを回避するためには、彼女たちとの入浴時間をずらせばいいのだが、ずらしたと思っても、相手もまた偶然同じような時間に入りに来ることがしばしばだ。
しかし、本来、あのおばさんたちは共同浴場へは入れないはずの別地区に住んでいるのであって、入るなら他の外湯へ行く立場である。
だが、それでは彼女たちの家から外湯までかなりの遠距離になるので、我が地区が温情で入れてあげている訳なのだから、地区の住民たちに文句をつけるどころか、感謝して入浴してもらわねばならないのが筋なのだ。
筋を通すならば、そういうことなのである。
この地区の人たちが、本気で怒りださないうちに、自分たちの態度を改めてくれればいいのだが・・・。
そこまで気が回るような女性たちではないだろう。

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