しゃべり続ける女
2012年12月07日
しゃべり続ける女

知恵袋に、「一日10時間以上も休みなくしゃべり続ける義母に困っています」という投稿があった。
投稿主であるお嫁さんが病気で伏せっている時でも、見舞いに来たふりをして一時間もしゃべり続け、話を聞いていないと判ると、肩を叩いてきたり、「聞いてよ!」と、訴えるとのこと。
「人の話は目を見ながら聞け」というのが、義母の口癖ということで、面倒なので視線を逸らして聞いていると、機嫌が悪くなったり、話がうるさいのでテレビをつけたりすると、即座に消されるという。
あまりに激しいマシンガン・トークに、投稿主は嘔吐したりめまいを覚えているとのことなのだが、夫に訳を伝えても、
「お前と話がしたいんだから、付き合ってやってくれ」
の一点張りだという。義父が生きていた時は、「うるさい!」と、言って、義母を止めてくれていたのだが、義父が亡くなってからは、おしゃべりにさらなる拍車がかかったのだそうである。
こういうとんでもないトーカティブ・モンスターは、年配女性に多いものである。
美容院などでも、2時間あまりの施術の間中、片時も黙らずに美容師さんに向かって話し続けている女性客も珍しくない。
何処から、そこまでの話題をひねり出すのかさえ不思議なくらいにしゃべり続けるのだが、その内容の九割は、自分や家族のことである。
この投稿者の義母も、人の話をすぐにかすめとり、自分のことにすり替えてしまう天才だという。
生活圏が狭いので、自分のこと以外に関心事がないのであろう。
この投稿者が吐き気を覚えるという気持ちも判らなくもない。
わたしの周囲にもこれに似た人たちは何人もいるが、連日三時間にわたり話を聞き続けて、体調を崩したという人も知っている。
話している方はさほど感じてはいないのかもしれないが、大勢が一斉に聴講するようなものではなく、一対一で他人の話を聞き続けるということは、想像以上に神経にダメージを与え、体力を消耗するものなのだ。
相槌を打つだけでも血圧が200を超えるというケースもあるといい、それこそ下手をしたら命にかかわることにもなり兼ねない。
投稿者も、義母の話を聞くのがここまで苦痛ならば、はっきり「もう、おしゃべりはやめて下さい!これ以上、わたしに話しかけないで!」と、毅然たる意思表示をしないと、脳血管疾患や心筋梗塞になる確率も捨てきれない。
たかだかおしゃべりと侮るなかれ。
聞く側にとっては、凶器ともなり得る大問題なのである。
わたし個人としては、こういうマシンガン・トークにつかまった時は、相手の話がひと段落するまで待つようなことはせず、予告もなくサッと消えてしまうことにしている。
あとで、「何で、話を聞いてくれなかったの?」と、なじられても、「出物腫物ところ嫌わず・・・でしょ?」と、言って知らん顔を決め込むことで、その場をやり過ごしてしまう。
投稿者のお嫁さんも、この手を何度か続けて使えば、お姑さんも呆れて話しかけなくなるのではないだろうか。
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