今年、感動したことありますか?
2012年12月23日
今年、感動したことありますか?

高齢の人たちの話を聞いていると、実に似たような言葉を使っていることに気が付く。
テレビで料理番組を観ていても、
「あんなやり方、あたしは前から知っているわ。ああ、あんなんじゃダメだ。あそこであんなことしちゃ、せっかくの味が台無しだよ」
「あのあと、誰が片付けるの?板前さんは弟子にやってもらえばいいんだから気楽なもんだ」

「あんなに手の込んだことをしなくても、あれとあれを混ぜれば簡単に同じ味になる。あれで料理研究家なんて、笑うわ」
などなど、だいたいがダメ出し突っ込みのオンパレードだ。
一人でも、
「へ~~、あんなやり方があるんだね。知らなかった。今度試してみようかな?」
と、いうような新しい発見や驚きを口に出す人はほとんどいない。
若者と高齢者の一番の違いは、物事に対してどれだけ感動したり感心できるかということだそうである。
多くの感動や感心が出来る人は、気持ちが若い証拠なのだという。つまり、生理機能が感情面に及ぼす影響はバカにならないということのようだ。
高齢者は、若者に比べて自分の流儀や概念に固執する傾向があるというが、これは、加齢によって身体に機敏性や柔軟性がなくなってきているという証明でもあるそうだ。
また、それは即ち、新しい物事を許容する心の余地が少なくなってきているということでもあるのだという。
今回の総選挙で自民党が躍進し、第三局の維新や未来が思ったよりも得票数を伸ばせなかったことも、こうした理由に基づくものだという意見もある。
高齢になるにつれて、変化を望まなくなる傾向は顕著になる。上記の料理番組への反応でも判るが、年を重ねると新しいことを覚えたり実践するのが煩わしくなるために、自分のやって来たことだけで十分だと考えるようになる。
あなたには、今年、我を忘れるほどに感動したことがあっただろうか?
自分だけの世界に浸れて夢中になれる何かを持っているだろうか?
これまでの人生では体験したこともないような、まったく新しいことにチャレンジするだけの好奇心とズクがあるだろうか?
それがある人は、まだまだ精神は老け込んでいないということなのだそうである。
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