反論こそが正論・・・・・517
2010年05月01日
~ 今 日 の 雑 感 ~
反論こそが正論
経営者の理論に、「最初から全員一致の意見は、採用するな」というものがあるといいます。
意見が全員一致であるということは、ほとんどあり得ないもので、にもかかわらず一致しているということは、必ずその中の何人かは、自分の本当の気持ちを抑えているという意味を持つのだそうです。
ですから、逆に、経営者たちは、「一人の反論の中にこそ正論がある」と、考えるのだというのです。
そのようなことからも、心理学では、「エリートだけの会議は、楽観論に流れる」と言われ、自分は優秀だと思う人々ばかりが集まった会議で出た結論は、無謀な計画でも実行してしまえというような物が多いのだというのです。
つまり、優秀なエリートたちは、自分がそこに集まっている他の人物よりも劣っているということを認めたくないばかりに、普通なら出来そうもないことも出来るという場合があり、明らかに無謀な行為だと思われることまでも、出来ないことはないだろうという結論に達してしまうのだそうです。
こういう成功率が少ない決定を下してしまうエリートばかりの集まりのことを、「リスキー・シフト」と、いうのだそうです。
そして、こうした「リスキー・シフト」の最たるものが、政府の要人らによる最高機密会議や有識者会議などであり、戦争突入などもこうした会議で決定されて来たという経緯があるのです。
しかし、この反対に、ごく普通の考え方の人たちや専門知識の少ない素人たちが集まる会議で話し合われることは、とかく「無理は禁物」と、いう方向に進むといいます。
これを「コーシャス・シフト」といい、結論のだいたいが無難な物に落ち着くのです。
ですから、「リスキー・シフト」には、逆に無難な考えの人を、「コーシャス・シフト」には、大胆な考えの人を加えて会議を開くことが必要なのだそうです。
こういう少数派の行動が影響を及ぼすことを、「マイノリティー・インフルエンス」と呼ぶそうで、経営者たちは、こういう「異論」を話す人たちの声を、あえて拾おうとするのだということです。
そして、会議の結論に付加価値を持たせるためには、「クライマックス法」というやり方で、意見を集約させるのが良いとされています。
これは、だんだん話を盛り上げて行って、「~~だから、~~するのが最善の策だ!」と、締めくくるのです。
こうすることで、会場の雰囲気は全員が納得する物に落ち着くといいます。
この反対のやり方が、「アンチ・クライマックス法」というものですが、これは、会議の結論を出す場合はあまり好まれない方法だそうで、やはり、最後は、会議の最中に出た意見を取り入れながら「クライマックス法」で締めるというのが、良いと言われています。 続きを読む
言い訳がましい人とは・・・・・516
2010年05月01日
~ 今 日 の 雑 感 ~
言い訳がましい人とは・・・・
「今日は、どうも頭が痛くて・・・・」
「昨夜は、よく眠れなかったんだよね」
「ちょうど、来客があってさ」
こんな風に、たびたび言い訳がましいことを口走る人って、必ず職場に一人か二人いますよね。
そして、たいてい、そういう人はあまり仕事が出来る方ではないはずです。
どうして、こういう人は、他人が訊きもしないのに、わざわざこういう言い訳をするのでしょうか?
これは、要するに、「自己ハンデキャッピング」と、いうもので、こういうことを予め周囲に話しておくことによって、そのあとで自分が失敗しても恥をかかずに済むという心理状態から、自らにかけられる期待度のハードルを下げておくというものなのだそうです。
これを言っておくことで、一生懸命努力する必要もなくなる訳です。
もしも、努力不足で試験の成績が振るわなくても、それは、「頭が痛かった」ためだったり、「寝不足」だったり、「お客さんが来ていて勉強が出来なかった」と、いうことになる訳です。
そういうことを何度も繰り返すうちに、これがいつしか口癖になり、別に試験や仕事がなくても、常に「今日は身体が重い」とか「調子悪い」などの言葉が、無意識に口から出るようになってしまうのです。
スポーツ選手などで時々見られることなのですが、試合の前に必死で練習をした選手は、あまりこういうことを口に出す人はいないそうです。
しかし、きつい練習に飽きてしまい、さほど頑張らなかった選手ほど、こういう言い訳がましいことを話し、案の定成績が振るわないことが多いのだとか。
つまり、自分は練習しなかったために負けただけなので、もし、懸命に練習していればもっと良い成績を出すことが出来る素質は持っているんだよと、いうことを、暗にほのめかし、現実逃避をしているのです。
ですから、アスリートたちが勝負を前に「弱音を吐きたくない」と、いうもの、ある意味それだけの練習を積んで来ているんだという自信の表れでもあるのです。
そのため、これまでは自身のケガについておくびにも出そうとしなかったアスリートが、「膝の調子がイマイチで」とか、「練習中に転んでしまいました」などと、試合を前に話すようなことがあったとすれば、それは、かなり自信がぐらついているという証拠なのかもしれません。
そして、この「自己ハンディキャッピング」を、頻繁に口にするようになったとしたら、その選手の現役引退も近いと考えてよいようです。
続きを読む