はったりを見抜く・・・・・561
2010年05月23日
~ 今 日 の 雑 感 ~
はったりを見抜く
「こんなに人の意見を聞こうとしない上司のいる会社、いつだってやめてやる!」
ある男性社員が同僚たちのいる前でこんなことを言ったとしたら、これは「本気」なのか?それとも、ただの「はったり」なのか?
おそらくは、この男性社員に会社を辞める気持ちなどないものと思えるのだ。
「はったり」とは、自分が不利な立場のときにわざと有利に見せたり、逆に有利なときに不利に見せたりすることである。
この男性社員の場合は、「いつだってやめてやる!」とは言っているものの、同僚たちが見ている前でこれを言うということは、明らかに「はったり」の要素が大きいのである。
本当に辞めたいと思っているのなら、むしろ、誰もいないところで上司と二人だけになる時間を見計らって、その気持ちを伝えるはずなのである。
「はったり」を使う人は、とかく行動が大げさになるもので、言葉や表情までもがいつもよりもオーバーになるそうなのである。
たとえば、ポーカーをしているプレーヤーが賭け金を釣り上げて大きく賭けようとする時、弱気を悟られまいと「はったり」を見せて素早く金を出す。しかし、自分に有利な手を持っている時は、あえて弱気を装うように慎重な面持ちでしぶしぶ金を出すような仕草をして見せるものなのだ。
つまり、反応が極端に早く自信ありげに行動する時は、たいていが実際とは逆の場合があるので、要注意なのである。
自信満々のことを言う人は、本当は小心者で、反対に気の弱そうな態度を見せる人は、案外、豪胆な面を持っているものなのである。
故に、何かの交渉の場で、「そんなことならこちらは手を引かせてもらう」とか、「もう、この話し合いはこれ以上は無駄ですね」などという人ほど、決裂させたくはないと思っており、その逆に、「そうですか・・・・。こちらは、もう少し考えてみたかったのですが、残念です」とか、「どうか悪く思わないでくださいね」などという人は、本当に交渉がダメになっても構わないと思っている確率が高いそうなのである。
こう考えると、人間とは、実に厄介な生き物だと思う。
日本語は難しい・・・・・560
2010年05月23日
~ 今 日 の 雑 感 ~
日本語は難しい
わたしの友人は、勤務先の会社が企画したイベントのPRを書いたフライヤーを、色々な施設や商店においてもらおうと思っていました。
そして、そのフラーヤーは、持ち帰り自由です。
大勢のお客さまにただで持ち帰り、見て頂きたいという主旨のことを、フライヤーを置いて頂きたい先方に文書で頼みたいのですが、こういう時の良い言葉が思いつきません。
「このフライヤーを、お店で配布して頂きたいのですが・・・・」
これでは、お店の人にフライヤーを手に持って配って下さいと、頼むことになってしまいます。ですから、「配布」は却下です。
「このフライヤーを設置させていただけないでしょうか?」
でも、これでは、フライヤーがそこから動かせなくなってしまいます。「設置」は、その場に固定化するという意味ですから。
(もちろん、フライヤーが固定されたボックスなどの中へ入っている場合は、「設置」でもいいと思います)
では、「置設」ではどうでしょうか?しかし、あまりに堅苦しすぎる言葉ですね。
そこで、どうにも困り果てて、専門家に訊ねたところ、こういう場合は、「頒布(はんぷ)」が妥当なのではないかという意見でした。
「頒布」ならば、置いてある物を勝手に持って行ってもらうという意味が加味されます。
「無料頒布」とすれば、良いということでした。
このように、日本語は様々な状況で言葉が微妙に異なって来ます。ただの意味だけではなく、その言葉の持つニュアンスで使い方を変えることができるのです。
つまり、その言葉でしか表現できないというささやかな心象の違いをも含むものが、日本語にはたくさんあります。
特に、方言に至っては、それこそ数え切れません。
そんな言葉の微々たる違いをうまく利用しながら、文章を書ければいいのですけれどね。 続きを読む