「ディア・ドクター」を地て行く?
2012年09月08日
「ディア・ドクター」を地で行く?

東京都板橋区の私立病院で、40代の男性が実在の医師の名前をかたり、非常勤医師として健康診断に関わっていた疑いがあることが8日、分かった。病院側が記者会見で明らかにした。男性が関与した可能性がある受診者は約2300人に上り、うち約110人の健診結果を訂正したが、命にかかわる重大な見落としはないという。病院は健診結果を精査するとともに再受診の手続きを進めている。
男性は偽造された医師免許証のコピーなどを使っており、病院側が事情を聴いたところ連絡が取れなくなった。他にも複数の病院で働いていたとみられ、病院側は医師法違反容疑などで警視庁に告発する方針。
病院によると、医師会を通じて区から健診事業を受託。病院は医師人材紹介会社を通じて非常勤医師を募集し、男性を 2010~11年に採用した。この際、免許証のコピーなどが同社から送られてきた。
男性は2年間のうち44日間、健診で採血や胸部レントゲン、受診者への結果説明などに関わった。健診以外の医療行為はしていない。(YAHOO!ニュース)
最近、医療系ドラマなどが華やかなせいか、医療現場で働くことに憧れる人たちが多くなったといわれる。
そのため、医師になることを希望する人たちも急増しているのだが、どれほど以前に比べて各大学が入学合格者数を増やしたとはいえ、やはり大学の医学部や医科大などは、それなりに学費もかかるし、未だ狭き門であることには違いはない。
様々な理由で、医師になるという希望がかなわなかった人たちの中には、他の医療系の職種を目指す者も少なくないそうである。
この偽造医師免許を提出し、医師の業務を行なっていた男性も、かつてはそんな医療系専門学校に通った経験があるらしいと、ニュースでは報じていた。
以前、東日本大震災の被災地でも、偽物の医師が診療行為をしていたという事件があり、近年このような偽医師が患者の治療にあたったという問題が後を絶たないのは何故なのか?
そこにはやはり、映画「ディア・ドクター」を地で行くような医師不足の現状があるからであろう。
たとえ、偽医者でも地域には医師が必要なのだ----そんな喉から手が出るような医師急募を掲げる自治体にとっては、要請に応じてくれる医師ならば、身元の詳細確認など、むしろ失礼にあたるとさえ考えて手続きを遠慮してしまうこともあるのだろう。
メディアに関しては、テレビドラマや医師タレントが活躍する等の影響もあるだろうが、日本の歴史上、これほど医師という職業が国民の身近なものとして捉えられた時代はないのではないかと思う。
そうはいっても、白衣を身につけさえすれば、それで医師になれると思い込む人がこれほどいるというのは、考えれば怖いことである。
「ディア・ドクター」のPRフレーズである「その嘘は、罪ですか」という問いかけだが、こうした事件を踏まえれば、今の現状では明らかに「犯罪」であるとしか言えないだろう。
今回もこの偽医師による健診を受けた人たちに、特段重大な誤診がなかったからよかったものの、一つ間違えれば大変な病気を見逃した可能性もあったわけで、その可能性があった受診患者が約2300人という数には驚くばかりだ。
ぜひ自治体や各病院関係者には、この事件を教訓に、今後の再発防止に向けて神経をとがらせて欲しいと思う。
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前向きは大事だけれど・・・
2012年09月08日
前向きは大事だけれど・・・

他人から自分が良かれと思ってしていることを注意された時は、そりゃァ、誰しもむかっ!となるものだ。
相手の忠告が正論ならば正論であるほど、「お前に、わたしの何が判るんだ!」と、言いたくもなる。
まあ、素直に、「その通りです。わたしが悪うございました」なんて、殊勝な詫びなど口が裂けたって言いたくなんかないものだ。
しかし、忠告する人も、相当なプレッシャーを感じながらしているはずである。
相手からどのような反撃を食らうか判らないのだから。
だが、それでも忠告する人は、おそらくはその人やその人の家族のことを心配して、あえて苦言を呈してくれているはずである。
ところが、それが裏目に出て、忠告されればされるほど、なお意地になるという人もいるのだ。
「お前なんかよりも、わたしの方が大変な目にあっているのだがら、余計な口出しはするな」
と、いうところだろうか。
そういう人は、とかく、相手の忠告を無視するだけでなく、何の反省の色もないままに、ただ単に「これからも前向きで生きる」「これが、わたしなんだから」と、開き直りを見せる。
人生、「前向き」は確かに大事だが、それは、自分の言動の反省点を自覚してから以後の話ではないだろうか。
「他人の説教など知ったことじゃない」
との考え方が前提の前向きは、ただの逃げでしかない。
「そんなの関係ねー!」「どーでもいいんだァー!」
と、なりふり構わずに大声で叫べば、何もかも許されると思ったら大間違いだ。
何故なら、最も「関係なくない」「どうでもよくないことだ」と、思っているのは、そう叫んでいる本人自身なのだから。
他人が許しても、その人自身の潜在意識が決してそれを許しはしないのだ。
そのジレンマが、また大きなストレスになることを一番知っているのも、その人自身のはずなのだが----。
もっと、素直に第三者の意見にも耳を傾けられれば、どんなにか気持ちも楽になるだろうに・・・。
そんなに周囲を拒絶し続けるのだとしたら、今の仕事、正直いってとてもその人の天職とは思えない。
いや、そのことはもう、その人自身が一番気付いているのだろうな。
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